金谷茶まつり

先日開催された、お茶の産地「金谷」で行われる「金谷茶まつり」

金谷の町には、各支部の賑やかな屋台と共に
茶摘みの衣装を着た茶娘や踊り子たちの姿でにぎわいました。

今日はそんな「金谷茶まつり」を、緑茶の魅力と共にご紹介しますね。

記事の途中から、私の想いがあふれてきますが(笑)
ぜひぜひ、夜の屋台までタップリ楽しんでもらいたいと思って
気持ちが熱いうちに、茶まつりレポートをまとめました。

長いけど、ぜひ読んでみてくださいませ!

世界に誇れる緑茶。その美しい「みどり色」は、日本人の強いこだわりから生まれた。

ここ、島田市金谷エリアは、いたるところに茶畑が広がる銘茶の産地です。

新茶の季節(茶の新芽が出る4月中旬~5月頃)になると
お茶に携わる人たちは、目が回るほど大忙し。

私たち日本人にとって、緑茶は茶葉も茶液も緑色なのが当たり前ですが
実はその色こそが、世界に誇れる高品質な茶の製造技術だという事をご存じでしょうか。

それは、日本人が「摘みたての新芽の味を届けたい」という
強いこだわりから育まれた技術だからです。
茶液の美しい緑色は、摘んだ茶葉をすぐに丁寧に蒸しあげる事で保たれています。

 ※中国茶や紅茶等は摘んだ茶葉を蒸すことなく水分を飛ばす作業に入るため、発酵した茶色の茶葉になる。

そのため、お茶を摘み始めたら作業はノンストップ。
新茶の季節は、どこの茶農家さんも茶工場も、フル稼働で作業します。

なにしろ、新茶は一年に一度だけ。
お茶の旬ともいえる時期の日本茶は栄養価も高く、香りはさわやかで奥深い味わいです。
そのため、この時だけ味わえる新茶を楽しみにしている人も多いのです。

茶まつりの始まりは、互いの労をねぎらう「ほいろあげ」から。

そんな新茶の季節が慌ただしく終わると、茶工場ごとにお茶に携わった人たちが集まり
「ほいろあげ」と呼ばれる、慰労会が行われます。

お茶農家さん、茶師さん、等々、お茶作りに係る人たちが集まり
互いの労をねぎらったり振り返ったりしつつ、飲食をしながら過ごす、楽しい時間なのだそう。

実はこの「小さな感謝祭」が、今日の茶まつりをはじめる『契機』となったと言われています。

今では新茶の季節到来を告げるお祭りと姿を変え
新茶で忙しくなる前の4月上旬に、「金谷茶まつり」として
地域の人々に大切に受け継がれるお祭りとなりました。

茶まつりの見どころは?

さて、そんな「金谷茶まつり」の見どころと言えば・・

茶摘み衣装をまとった大勢の茶娘たちが踊りを披露する「茶娘道中」が有名です。
金谷のメイン通りが茶娘だらけになるのは圧巻ですが
私のおススメは、「豆茶」といって茶摘みの衣装をまとった幼い子たちです。
豆茶がフワフワと大人と一緒に踊る姿は、いつ見てもかわいいものです。

さて今年、二日間かけてじっくり茶まつりを見に行った私ですが
「茶娘道中」よりももっと面白いじゃん!と思うものがありましたのでご紹介を・・。

威勢のいい屋台は、迫力タップリ!

それは、法被姿の若者たちが威勢よく屋台を引き回す「屋台道中」

この屋台、まっすぐは進めるのですが、曲がれないんです。
ハンドルがない、と言えばいいでしょうかね。
で、どうやって曲がるかと言うと、屋台の下に梃子(てこ)と呼ばれる太い棒を入れて
大人数で屋台を梃子で持ち上げながら少しずつ角度を変えて曲がるのです。

そんな曲がり方なので、屋台もドッカンドッカン揺れるし
屋根の上に人が乗ったまま、屋台は上下に動くのですよ。
屋台の上に乗っている若者の笛の合図で止まり、
笛の合図で角度を微調整する屋台・・・。超アナログ。

そのアナログな屋台道中、なんとお祭りの二日間
朝9時ごろから夜9時ごろまで続きます。

特に夜、ライトアップされた屋台道中は、圧巻。
一日中引き回して疲れ果てているだろうに、さらに白熱する屋台は、感動ものです。

互いの労をねぎらう姿もカッコいい!

そんな威勢のいい屋台道中ですが、実はもっと見どころがあります。

それは、威勢のいい法被姿の男たちが、互いを尊重しながら屋台を回す姿!

実はこの屋台、地域ごとに支部があって、屋台は全部で六台あります。

それぞれに、地域の特色があって、ものすごくヤンチャな男たちが回す屋台もあれば
優しい雰囲気だけども盛り上がってる屋台もあり
それぞれの違いを見ているだけでも楽しめます。

屋台同士がすれ違う時や、各支部の待機所を通り過ぎる時等
必ず、屋台の代表が相手の労をねぎらい、これからも宜しく、と
挨拶をするのです。(動画では撮影できていないので残念でならないですが・・)

これが、お祭りがヒートアップすればするほど、挨拶も味が出てきて
なんか、ジーンとするんですよ(私だけかな) 

これぞ粋! これぞ日本男児!(もはやコーフンが止まらない)

今回この記事を書く為に、歴史を調べていたら出てきた「ほいろあげ」の文化
つまり、互いの労をねぎらう文化が
こうして、お祭りの根っこに受け継がれているんだなぁ、と気付き
妙に感動してしまった私でした。

次回は2年後! ぜひぜひ見に来てね。

茶まつりの時は、水路に 小さなこいのぼりが飾られます~!

お祭りって、本来は「神さまに感謝する」ためのもの、ですよね。
一方で、ここの茶まつりは、「ほいろあげ」を機に生まれたものなので
少し「お祭り」の意味合いが違うのかもしれないですが
お茶が繋いでくれたご縁や、今年も美味しいお茶が作れますように、と
神さまに感謝するという意味では、同じとも言えますね。

観光客よりも、お祭りに参加する人の方が多い「金谷茶まつり」
次回は私も参加するぞ!と思っています。(宿の営業はどうしよう・・と思いつつw)

今回見逃してしまった方は、ぜひ次回、2025年の4月、金谷で逢いましょう!