あぁ、なんてノスタルジック。
たった5分だけの旅が
こんなにも心潤す時間になるとは。
一日の夕方、たった5分だけ
特別に走る蒸気機関車があります。
夕暮れ時に、静かにEL車(電機機関車)に牽引されて
金谷駅に到着した列車。
最後部には、穏やかにシュッシュと煙を上げながら
蒸気機関車が連結されています。
16時27分。
私はこれから、この、鉄の塊のような列車に乗り
ほんの5分だけ、ノスタルジックな旅に出る。
客車はとても、古めかしい。
年季の入ったベルベットの座席と
いぶし銀のような木の風合い
金谷駅からは折り返しの運転の為
先ほど最後部だった蒸気機関車が、今度は客車を牽引する。
蒸気の力で列車が走り出す。
ギシギシと音を立て
じっくりと、じわじわと、走り出す。
車窓からは、夕暮れの金谷の町並みが見える。
地元の人たちが、カメラを持って写真を撮っている。
そして嬉しそうに、手を振っている。
遠くに、雪をかぶった富士山も見えた。
いい場所だな。
そう思わせてくれる蒸気機関車の旅。
16時32分。
列車は新金谷駅に到着。
先頭の蒸気機関車は、客車から切り離され、車庫へと移動する。
名残惜しそうに、蒸気機関車を見送る人たち。
改札で切符を手渡そうとしたら
持って帰っていい、と言う。
ここの切符、レトロでかわいいんだよな。
たった5分だけの旅の記念を、大事にポケットに入れた。
新金谷駅で、ほんの少しだけお土産屋さんを散策。
記念のキーホルダーを、いくつか買うことにした。
お土産屋さんで、お茶をしつつ
ほんの30分ほど滞在したら、金谷樹に戻る普通列車に乗れる。
(私は地元民なので、徒歩にて帰宅)
–
小さな鉄道の旅。
これはとても、おすすめです。
あまり大きな声で言いたくないですが
この時間のこの列車だけ、普通料金で乗車できるので
なんと150円です・・。
駆け足で観光に来られたお客様に
おススメしたい。